アメリカの現金給付(Stimulus Payment)の支給額・受給資格・受取方法について

2020年4月20日

Canteenです。

アメリカに来てまだ1年も経っていない私ですが、新型コロナウイルスによる経済活動の停止に伴う景気刺激策で一人あたり1,200ドル支給されると聞いて、アメリカ国民ではなく、ビザでアメリカに住んで仕事をしている在米日本人も支給対象なのかどうかがずっと気になっていました。ただ、結論としては納税していれば支給対象となるようです。

すでに、銀行口座への直接振込みによる給付が始まったことがニュースになっていますが、私は非常に残念ながらまだ受け取れていません。。。

それでは、同じように悩まれている方がいらっしゃるのではと思いますので、アメリカのStimulus Paymentの受給資格・受取方法・支給額についてご紹介していきます。

なるべく正確な情報となるように心がけていますが、詳細は、IRSのWebサイト(Economic Impact Payments)などのアメリカ政府の情報をご確認ください。

様々な海外紙幣
様々な海外紙幣

アメリカの現金給付(Stimulus Payment)の支給額

大人一人あたり$1,200と子供一人あたり$500が支給されます。夫婦で子持ちだと日本円で30万円以上です。

Eligible individuals with adjusted gross income up to $75,000 for single filers, $112,500 for head of household filers and $150,000 for married filing jointly are eligible for the full $1,200 for individuals and $2,400 married filing jointly. In addition, they are eligible for an additional $500 per qualifying child.

For filers with income above those amounts, the payment amount is reduced by $5 for each $100 above the $75,000/$112,500/$150,000 thresholds. Single filers with income exceeding $99,000, $136,500 for head of household filers and $198,000 for joint filers with no children are not eligible and will not receive payments.

https://www.irs.gov/coronavirus/get-my-payment-frequently-asked-questions#elig

アメリカの現金給付(Stimulus Payment)の受給資格

受給資格はIRSのWebサイトに記載されておりまして、簡単に日本語訳すると、

ポイント

  • アメリカ市民またはアメリカ在住外国人であること
  • 雇用に有効なSocial Security Numberを持っていること
  • 調整済みの収入が条件以下であること

となっています。

それぞれの詳細を見ていきましょう。

税務上アメリカ在住であるとみなされること

アメリカ在住の外国人であることは、ただ、アメリカに住んでいるということだけではなくて、税務上のSubstantial Presence Testという基準でアメリカに住んでいるという適格性に該当している必要があります。原文は以下のとおりです。

You will be considered a United States resident for tax purposes if you meet the substantial presence test for the calendar year. To meet this test, you must be physically present in the United States (U.S.) on at least:

1. 31 days during the current year, and
2. 183 days during the 3-year period that includes the current year and the 2 years immediately before that, counting:
・All the days you were present in the current year, and
・1/3 of the days you were present in the first year before the current year, and
・1/6 of the days you were present in the second year before the current year.

Example:

You were physically present in the U.S. on 120 days in each of the years 2012, 2013, and 2014. To determine if you meet the substantial presence test for 2014, count the full 120 days of presence in 2014, 40 days in 2013 (1/3 of 120), and 20 days in 2012 (1/6 of 120). Since the total for the 3-year period is 180 days, you are not considered a resident under the substantial presence test for 2014.

https://www.irs.gov/individuals/international-taxpayers/substantial-presence-test

具体的には今は2020年ですので、2019年の納税についての確認になりまして、

ポイント

  • 2019年にアメリカにいた日が31日以上
  • 2019年にアメリカにいた日と、2018年にアメリカにいた日の1/3と、2017年にアメリカにいた日の1/6の合計が183日以上であること

の両方を満たしている必要があります。

ただ、下記のような納税が免除されている状態での滞在は日数にカウントしません。

Do not count days for which you are an exempt individual. The term “exempt individual" does not refer to someone exempt from U.S. tax, but to anyone in the following categories:
・An individual temporarily present in the U.S. as a foreign government-related individual under an “A” or “G” visa, other than individuals holding “A-3” or “G-5” class visas.
・A teacher or trainee temporarily present in the U.S. under a “J" or “Q" visa, who substantially complies with the requirements of the visa.
・A student temporarily present in the U.S. under an “F," “J," “M," or “Q" visa, who substantially complies with the requirements of the visa.
・A professional athlete temporarily in the U.S. to compete in a charitable sports event.

https://www.irs.gov/individuals/international-taxpayers/substantial-presence-test

雇用に有効なSocial Security Numberを持っていること

ソーシャルセキュリティーナンバーはアメリカ在住の方であれば、皆さんお持ちだと思いますので特に問題ではないかなと思います。ソーシャルセキュリティーナンバーがなければ、Get My Paymentからのステータスの確認もできません。

収入が基準額以下であること

納税記録は2018年または2019年のものが参照されます。それらの収入から受給資格の判定があります。

U.S. residents will receive the Economic Impact Payment of $1,200 for individual or head of household filers, and $2,400 for married filing jointly if they are not a dependent of another taxpayer and have a work eligible Social Security number with adjusted gross income up to:

・$75,000 for individuals
・$112,500 for head of household filers and
・$150,000 for married couples filing joint returns

Taxpayers will receive a reduced payment if their AGI is between:

・$75,000 and $99,000 if their filing status was single or married filing separately
・$112,500 and $136,500 for head of household
・$150,000 and $198,000 if their filing status was married filing jointly

The amount of the reduced payment will be based upon the taxpayers specific adjusted gross income.

Eligible retirees and recipients of Social Security, Railroad Retirement, disability or veterans’ benefits as well as taxpayers who do not make enough money to normally have to file a tax return will receive a payment. This also includes those who have no income, as well as those whose income comes entirely from certain benefit programs, such as Supplemental Security Income benefits.

Retirees who receive either Social Security retirement or Railroad Retirement benefits will also receive payments automatically.

https://www.irs.gov/coronavirus/get-my-payment-frequently-asked-questions#elig

日本語で簡単にまとめますと、

ポイント

  • 単身者の場合は年収$75,000までは満額支給、 $99,000まで段階的に減額、それ以上は対象外
  • 世帯主の場合は年収$112,500までは満額支給、$136,500まで段階的に減額、それ以上は対象外
  • 結婚して夫婦で共同申告の場合は年収$150,000までは満額支給、$198,000まで段階的に減額、それ以上は対象外

納税が必要なほどの収入がその2年でなかった場合には、銀行口座の情報をIRSへ連絡するためにNon Filerとして受給のための申告が必要です。Non Filerの申告はIRSの公式ページからできます。

アメリカの現金給付(Stimulus Payment)の受取方法

郵送でチェックで受け取る方法とIRSが把握している銀行口座へ直接振り込まれる方法の2種類があります。

これはIRSへの過去の確定申告で銀行振込か郵送かのいずれかを選択していて、それに応じて変わっているようです。ただ、IRSに銀行口座の情報が伝わっていない場合には、Get My Paymentから伝達できます。

受給資格があり、銀行口座の情報をIRSが把握している場合には、すでに振り込みが始まっていますので、銀行に振り込まれているはずです。郵送の場合には、数ヶ月かかる見込みのようです。

自分の現金給付(Stimulus Payment)のステータスの確認方法

振り込まれていない場合には、Get My Paymentから自分の給付のステータスを確認できます。1日1回だけ更新するそうなので、1日1回確認すれば十分です。

ここで、"Payment Status Not Available"と表示されてしまった場合には、

  • 2019年の確定申告の処理が完了していない
  • 通常確定申告をしていなくて、Non-Filersを使用した
  • 支給に適格ではない

といった可能性が考えられます。詳しくは、IRSのPayment Status Not Availableからご確認ください。

アメリカの現金給付(Stimulus Payment)の支給額・受給資格・受取方法についてのまとめ

すでに振り込みが始まっていますので、銀行口座を確認してみましょう。振り込まれていなければ、現在の自分の支給状況のステータスをGet My Paymentから確認しましょう。日本でも同様のヘリコプターマネーが計画されていますが、麻生政権の際の現金給付時は在外邦人は支給対象外だったそうです。今回がどうなるかはまだ不明ですが、少なくとも、アメリカ政府の支給分は対象であるのであればしっかり受け取りたいところです。

皆様のアメリカ政府による現金給付の支給に対するもやもやが少しでも晴れれば幸いです。

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